ミディアムシップとは?|故人とつながるセッションと学び方

亡くなった家族や大切な人から、何かメッセージを受け取れたら。

そんな思いから調べていると、「ミディアムシップ」という言葉にたどり着くことがあります。

ミディアムシップとは、スピリチュアリズムなどでは、ミディアムと呼ばれる人が亡くなった人などのスピリットから情報を受け取り、生きている人へ伝えるとされる実践です。日本では「霊界通信」と呼ばれることもあります。 (日本スピリチュアリスト連盟)

ただし、ここで最初に分けたいことがあります。

亡くなった人から一度メッセージを受け取ってみたいのか。

それとも、自分自身がミディアムシップを学び、故人からの情報を受け取れるようになりたいのか。

前者なら個人セッション、後者なら講座や実践練習というように、進む方向が違います。

ミディアムシップは「故人からメッセージをもらう」だけではない

ミディアムシップというと、

「亡くなった母が何と言っているか聞く」

「亡くなった夫ともう一度話す」

といった場面を想像しやすいでしょう。

実際、故人とのコミュニケーションは代表的なミディアムシップです。

ただ、スピリチュアリズム系では、故人との通信だけではなく、ガイドスピリットと呼ばれる存在から情報を受け取ることまで広くミディアムシップに含める場合があります。

だから、サービスを探すときには「ミディアムシップ」という名前だけでは足りません。

亡くなった特定の人との通信なのか。

ガイドから人生についてメッセージを受け取るものなのか。

この違いを確認します。

「亡くなった父と話したい」のに、ガイドリーディング中心のサービスを選べば、検索した目的とずれてしまいます。

故人とのセッションでは「その人だと分かる情報」を先に見る

故人とのミディアムシップを受けるなら、知っておきたいのが「エビデンシャル・ミディアムシップ」です。

これは、最初から、

「お母さんがあなたを見守っています」

とメッセージだけを伝えるのではありません。

性格。

仕事。

好きだったこと。

容姿。

癖や話し方。

二人の思い出。

こうした情報をミディアムが受け取ったものとして伝え、「今コミュニケーションしているとされる人物は誰なのか」を相談者と確認してからメッセージへ進みます。

日本の複数の実践者が、こうした形式でセッションを行っています。 (スピリチュアリズム横浜)

故人とのセッションを受ける人にとって重要なのは、「感動できる言葉が出るか」だけではありません。

その言葉の前に、なぜその人物からのメッセージだと判断したのか。

ここを見ると、ミディアムシップというセッションの中身が分かりやすくなります。

会いたい故人と必ずつながれるとは限らない

「亡くなった母と話したい」と思って申し込んだら、必ず母が出てくるのでしょうか。

少なくとも、実際にミディアムシップを提供している複数の実践者は、それを保証していません。

希望した故人とコンタクトできない場合や、そのとき別の親族や知人とされる存在から情報を受け取る場合があると説明しています。 (ミディアムヒトミOFFICIAL SITE)

ですから、

「この人を絶対に呼び出してほしい」

という期待と、

「何か故人に関係する情報が伝わるか体験してみたい」

という期待では、セッション後の受け止め方が変わります。

申し込み前に「希望した故人とつながれない場合はどうなるのか」を確認しておく方が、後でズレが起きにくくなります。

未来を占ってほしいならミディアムシップとは目的が違う

もう一つ混同しやすいのが占いです。

「亡くなった父は私について何か言っていますか」

と、

「来年結婚できますか」

では、聞きたいことが違います。

日本スピリチュアリスト連盟は、故人とのエビデンシャル・ミディアムシップと、仕事・家庭・人間関係について方向性を探るライフガイダンスを別メニューにしています。また、同連盟ではミディアムシップを吉凶や相性を占うものではないと説明しています。 (日本スピリチュアリスト連盟)

つまり、「霊的なサービスだから何でも聞ける」とは限りません。

故人との通信が目的なのか。

人生相談なのか。

未来予知を期待しているのか。

ここを自分でも分けてから選びます。

ミディアムシップはオンラインでも行われている

対面でなければ故人との通信はできないのでは、と考える人もいるでしょう。

実際には、日本のミディアムシップ提供者にはZoomや電話によるオンラインセッションを行っている例があります。日本スピリチュアリスト連盟も複数のミディアムによるオンラインセッションを案内しています。 (日本スピリチュアリスト連盟)

ただし、これは「オンラインでも霊界通信が科学的に確認されている」という意味ではありません。

あくまで、実際のサービス提供形式として対面とオンラインの両方が使われているということです。

そのため、遠方だからという理由だけで、必ずしも現地まで行く必要はありません。

一度体験したいだけなら「学ぶ」必要はない

ここが、セッションと学び方を分ける重要な境界です。

「亡くなった家族から何か聞けたらいい」

「ミディアムシップがどんなものか、一度経験してみたい」

というだけなら、自分がミディアムになる必要はありません。

個人セッションを一度受ければ、目的は満たせます。

反対に、

「自分自身でスピリットを感じ取れるようになりたい」

「いつか他の人に故人からのメッセージを伝えたい」

となれば、学ぶ意味が出てきます。

この二つを混ぜると、興味本位で調べ始めただけなのに、いきなり高額・長期間の養成講座まで検討することになります。

まず「受けたいのか、できるようになりたいのか」を決めます。

自分で学びたいなら、最初は「感じる練習」だけで終わらせない

ミディアムシップ講座を探すと、

「霊感を開く」

「直感を高める」

「波動を上げる」

といった表現も見かけます。

しかし、他人に対してミディアムシップを行うことまで考えるなら、「何かを感じる」だけでは足りません。

英国スピリチュアリズム系の教育では、private sittingの進め方、evidenceの扱い、感覚の使い分け、メッセージの伝え方など、実際のセッションを想定した内容が扱われています。Arthur Findlay Collegeのプログラムにも、private sitting、Evidence and Message、Forms of Perceptionなどの実践科目があります。 (アーサー・フィンドレイ・カレッジ)

つまり学ぶ場合は、

「自分には何か見える気がする」

から、

「何を受け取り、それをどのように整理し、第三者にどう伝えるか」

まで進む必要があります。

ここが趣味としてスピリチュアルを楽しむことと、人にミディアムシップを提供することの境目です。

初心者は段階のある講座を選ぶ方が分かりやすい

日本スピリチュアリスト連盟では、初心者向けの初級、中級、上級と段階を分けています。

初級では霊性開花とミディアムシップの基礎。

中級では実習を重ねながら個人の特性を探す。

上級ではさらに専門的な実践を行い、プロや講師を目指す。

という構成です。 (日本スピリチュアリスト連盟)

これは特定団体だけが正しいという意味ではありません。

見るべきなのは、「初心者でも数回でプロになれる」といった説明より、

基礎。

理論。

実習。

フィードバック。

他者へのセッション練習。

という段階があるかどうかです。

実際、国内にはミディアムとして活動することを目標に、数年間のトレーニングを前提としている養成講座もあります。 (ミディアムヒトミOFFICIAL SITE)

「何回受ければ能力が身につく」という共通基準があるわけではありません。

だからこそ期間の短さより、何を練習するのかを見る方が重要です。

「当たった数」だけではなく、外れた情報も扱える練習を見る

エビデンシャル・ミディアムシップを学ぶなら、正解した情報だけを見るのでは不十分です。

「男性が見えます」

「旅行が好きだった人です」

「病院が浮かびます」

といった情報を伝えて、相談者が「違います」と答えたときにどうするのか。

ここにも実践力が出ます。

研究では、ミディアムによるリーディングで否定された情報が、後から別の形で肯定的な証拠として再解釈される会話パターンについて分析したものもあります。 (PubMed)

だから学ぶなら、

「全部に意味がある」

として外れを消してしまうより、

違うものは違うとして戻る。

分からないものは分からないとする。

何が具体的なエビデンスで、何が曖昧な印象なのかを分ける。

こうした練習があるかも確認したいところです。

セッションを受ける人と、ミディアムを目指す人では選び方が違う

故人と一度つながってみたい人なら、見るべきなのはセッションの内容です。

故人との通信を扱っているか。

人物を特定するエビデンスを示す形式なのか。

希望した故人が来ない場合はどうするのか。

どんな質問までできるのか。

この辺りが分かれば十分です。

一方、ミディアムを目指すなら、講師の知名度だけでは判断できません。

何を理論として学ぶのか。

毎回どの程度実習するのか。

他人を相手にした練習があるのか。

エビデンスについてフィードバックされるのか。

private sittingまで練習するのか。

ここまで見ます。

「受けるセッションの選び方」と「学ぶ講座の選び方」は別なのです。

ミディアムシップは科学的に証明されている?

ミディアムシップは研究対象にもなっています。

2001年から2019年までの14論文・18実験を分析したメタ分析では、ミディアムが故人について偶然を上回る情報を取得している可能性を支持する結果が報告されました。 (PubMed)

一方、厳密な統制条件でミディアムによる自動書記を調べた別の研究では、対象となった故人について書かれた文章と対照文章の評価に差が確認されませんでした。 (PubMed)

過去100年以上の研究結果は混在しており、方法論についても議論が続いています。 (PubMed)

したがって、

「科学が故人との通信を証明した」

とも、

「研究によってすべて否定された」

とも言い切れません。

セッションを受けるにしても、自分で学ぶにしても、スピリチュアルな世界観として信じることと、研究で何が確認されているかは分けて考えた方が整理しやすくなります。

死別の悲しみが強いときは「答えをもらわないと前へ進めない」状態に注意する

ミディアムシップは、大切な人を亡くした人が利用することの多いサービスです。

故人とのつながりを感じた体験が、悲嘆の意味づけや慰めにつながる可能性を論じた研究もあります。ただし、ミディアムシップを悲嘆治療として確立された方法とみなせる段階ではありません。 (PubMed)

特に、

「あの人から答えをもらわないと何も決められない」

「もう一度確認しないと不安」

と何度もセッションを求める状態になったら、一度距離を置いた方がよいでしょう。

また、有料サービスで「続けないと不幸になる」など不安をあおられ、課金が続く場合にも注意が必要です。国民生活センターも、占い・鑑定サービスで不安をあおられ高額な支払いにつながるトラブルを注意喚起しています。 (国セン)

迷っているなら、最初に「受ける・学ぶ」を決める

ミディアムシップに興味を持ったからといって、すぐ講座へ申し込む必要はありません。

亡くなった大切な人から何か伝わるか、一度経験してみたい。

それなら個人セッションです。

自分自身の感覚を確かめてみたい。

それなら初心者向けワークショップや基礎クラスがあります。

自分で故人とのミディアムシップを行い、人にメッセージを伝えられるようになりたい。

そこまで考えるなら、理論と実技を段階的に学び、他者を相手にした練習へ進む必要があります。

つまり、

「故人とつながりたい」

という同じ入口でも、最後に行き着く場所は同じではありません。

セッションを受けることと、ミディアムになること。

まずここを分けるだけで、自分が次に何を探せばよいのかはかなり明確になります。

出典

一般社団法人日本スピリチュアリスト連盟|個人セッション(個人鑑定)
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一般社団法人日本スピリチュアリスト連盟|ミディアムシップクラス
資料を開く

Arthur Findlay College|Open Week Programme – Mediumship Tutorials
Arthur Findlay Collegeを開く

PubMed|Anomalous information reception by mediums: A meta-analysis of the scientific evidence
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PubMed|Testing alleged mediumistic writing: An experimental controlled study
論文情報を開く