「自分にはどんな前世があったんだろう」
「今の自分が覚えていないだけで、魂には前世の記憶が残っているのでは?」
そう思って調べると、前世リーディングと前世療法が出てきます。
どちらも前世を扱いますが、体験することはかなり違います。
前世リーディングは、読み手に前世について読んでもらい、その内容を聞く方法。
前世療法は、催眠によって深くリラックスした状態になり、自分自身に浮かぶ場面や感情をたどる方法です。
そのため、
「私の前世について教えてほしい」
ならリーディング。
「自分自身では何が浮かぶのか体験してみたい」
なら前世療法。
というのが最初の分かれ目です。
ただし、どちらでも「それが本当に自分の前世だった」と客観的に証明できるわけではありません。
ここまで分けたうえで選ぶことが大切です。
- 前世リーディングと前世療法は「誰が受け取るか」が違う
- 前世リーディングは「前世について聞きたい」人向け
- リーディングでは何を聞ける?
- 「自分で何かを思い出したい」なら前世療法
- 前世療法は「前世の人物を知るだけ」が目的ではない
- 「前世の記憶を思い出した」と言える?
- 催眠は記憶を正確に取り出す方法ではない
- 最初から答えを決めた誘導にも注意する
- リーディングにも同じ問題はある
- 「本当にあった前世を知る」が目的なら、どちら?
- 今の誰かを「前世の加害者」と決めない
- 心や身体の問題を「前世が原因」と確定しない
- 前世療法を受けられない場合もある
- まず気軽に前世を知りたいならリーディング
- 「自分の内側から出てくるもの」を体験したいなら前世療法
- 前世リーディングか前世療法かは「何が欲しいか」で決める
- 出典
前世リーディングと前世療法は「誰が受け取るか」が違う
まず違いを整理します。
| 比較 | 前世リーディング | 前世療法 |
|---|---|---|
| 前世について情報を受け取る人 | 主に読み手 | 自分自身 |
| 催眠 | 基本的に不要 | 使う |
| 主な体験 | 前世について説明を聞く | 場面・感情・人物などを自分で体験する |
| 今世との関係 | 読み手が解釈する | 体験を自分とセラピストで整理する |
| 前世の事実確認 | できない | できない |
似ているようで、入口が違います。
「前世を知りたい」という同じ目的でも、自分が欲しいのが情報なのか体験なのかで選択が変わります。
前世リーディングは「前世について聞きたい」人向け
前世リーディングでは、読み手が前世に関する情報を受け取り、それを相談者へ伝えるとされています。
方法は提供者によって違います。
霊視と呼ばれる、目には見えない情報を直感的に受け取る方法。
魂の情報が記録されているとする領域を読むアカシックリーディング。
カードなどを組み合わせる方法。
などがあります。
そのため、「前世リーディング」という名前だけでは、何をするサービスなのかまでは決まりません。
申し込む前に、どんな方法で読む人なのかを確認しておきます。
リーディングでは何を聞ける?
サービスによりますが、
前世ではどんな人物だったと読めるのか。
どのような仕事をしていたのか。
どの地域・時代だったのか。
現在の家族や恋人と前世でも関係があったと読めるのか。
今の人生で繰り返している悩みとの関係。
前世から持ち越したとされる才能や課題。
などを扱うリーディングがあります。
ただ、「私のすべての前世を見てください」というより、
「今の恋愛に関係するとされる前世を知りたい」
「今の仕事や才能に関係する前世を見てほしい」
と今の自分に結びつけて質問したほうが、結果を使いやすくなります。
「自分で何かを思い出したい」なら前世療法
前世療法は、読み手から答えを聞く方法とは違います。
セラピストの言葉による誘導を受けながら、深くリラックスした状態に入ります。
その中で、
足元に何が見えるか。
どんな服を着ている感じがするか。
周りに誰がいるか。
どんな感情があるか。
人生でどんな出来事が起こったと感じるか。
といったことを、自分自身でたどっていきます。
つまり、
「あなたの前世は○○でした」
とセラピストから教えてもらうわけではありません。
自分の中から出てくるイメージや感情を体験するところが、前世リーディングとの一番大きな違いです。
前世療法は「前世の人物を知るだけ」が目的ではない
前世療法を提供する団体を見ると、
「昔の自分が誰だったかを知ること」
だけを目的にしているわけではありません。
なぜ同じ人間関係を繰り返すのか。
理由の分からない恐怖がある。
なぜか強い罪悪感がある。
自分が何をしたいのか分からない。
といった、今の自分の問題を考えるために利用されています。
催眠中に浮かんだ物語について、
「この人生では何を経験したと感じる?」
「今の自分へ何を伝えたい?」
とたどっていきます。
そのため前世療法は、
「昔の自分のプロフィールを知りたい」
人より、
「前世という物語を通して、今の自分を見てみたい」
人のほうが目的に合います。
「前世の記憶を思い出した」と言える?
ここは慎重に分ける必要があります。
前世療法では、非常に鮮明な場面が浮かぶ場合があります。
知らない町が見える。
知らない家族がいる。
自分とは違う性別や年齢に感じる。
死ぬ場面まで体験したように感じる。
強い悲しみや懐かしさが出る。
そうした体験は、本人にとっては非常に現実的に感じられるかもしれません。
しかし、
「鮮明だった」
ことと、
「過去に実際に起きた記憶を正確に再生した」
ことは同じではありません。
催眠は、記憶を録画映像のように正確に再生する方法ではありません。
そのため「思い出した前世」というより、
「催眠中に前世として体験された場面」
と考えたほうが、事実と体験を分けやすくなります。
催眠は記憶を正確に取り出す方法ではない
記憶そのものも、保存された映像をそのまま再生する仕組みではありません。
人は思い出すたびに、記憶を組み立て直しています。
さらに催眠では、誘導する人の質問や、自分自身の期待によってもイメージが影響を受ける可能性があります。
近年の研究でも、催眠によって正確な記憶が増えるとは確認されておらず、実際には経験していない出来事を思い出したと感じることがあると報告されています。
しかも、その内容に本人が強い自信を持つこともあります。
そのため、
「催眠で見えたから間違いなく事実」
とは判断しないほうがよいでしょう。
最初から答えを決めた誘導にも注意する
たとえば、
「私は昔からフランスに惹かれるので、フランス人だった前世を見たい」
と思ったとします。
そこで催眠中に、
「あなたは今、フランスで暮らしていた前世にいます」
と誘導されたらどうでしょう。
フランスの街が浮かんでも、
本当に前世だから浮かんだのか。
フランスを想像するよう促されたためなのか。
分けることが難しくなります。
「自分の前世に何があるのか知りたい」という目的なら、
「今の自分に必要な過去世へ」
など、最初から具体的な答えを決めすぎない誘導なのかを確認する方法があります。
それでも事実確認にはなりませんが、誘導による影響を意識することはできます。
リーディングにも同じ問題はある
これは前世療法だけの話ではありません。
前世リーディングでも、
「あなたは前世で修道女でした」
「昔はヨーロッパで医師をしていました」
など、かなり具体的な説明を受ける場合があります。
しかし、読み手から具体的に言われたことと、それが歴史的事実として確認されたことは別です。
別のリーダーへ行けば、別の前世を伝えられる可能性もあります。
「どちらが本当か確かめるために、さらに何人にも聞く」
と繰り返すより、
「この説明は、今の自分を考える材料になる?」
という使い方のほうが終わりを作りやすくなります。
「本当にあった前世を知る」が目的なら、どちら?
ここは明確です。
前世リーディングでも、前世療法でも、
「歴史的に本当に存在した自分の前世を確認する」
ことはできません。
前世については、幼い子どもが自発的に過去の人生らしい出来事を語る事例を継続的に調べている研究があります。
中には、過去に実在した人物との一致を検討している研究もあります。
しかしこれは、
「前世リーディングを受ければ前世が正確に分かる」
「退行催眠で前世の記憶を正確に取り戻せる」
ことを確認した研究ではありません。
この二つは分けて考える必要があります。
今の誰かを「前世の加害者」と決めない
前世療法やリーディングで、
「今の父親は、前世であなたを殺した人」
「恋人とは前世でも裏切られた関係」
などの説明が出る可能性があります。
そこで、
「だから今のこの人も危険だ」
と現在の人物を事実認定しないことが大切です。
特に催眠中に現れた場面は、実際の記憶かどうかを確認できません。
現在の人間関係を判断するときは、今その人が何を言い、どう行動しているのかを見ます。
前世の物語は現在の相手を有罪・無罪にする証拠にはなりません。
心や身体の問題を「前世が原因」と確定しない
前世療法では、
理由の分からない恐怖。
不安。
人間関係の悩み。
自己否定感。
などを扱うサービスがあります。
しかし、
「前世で溺れたから水が怖い」
「前世で迫害されたから今の不安がある」
という物語が浮かんでも、それだけで現在の症状の原因が確定したわけではありません。
特に心身の強い不調がある場合は、必要に応じて医療など現在の問題として確認します。
前世療法を受けるとしても、医療上の診断や治療の代わりとして扱わないことが大切です。
前世療法を受けられない場合もある
前世療法は催眠を使うため、サービスによって受け入れ条件があります。
実際、一部の提供者では、
精神科・心療内科へ通院している人。
一部の薬を服用している人。
妊娠中の人。
一定年齢未満の人。
について、受けられない、または医師の許可が必要としています。
これは全サービス共通の基準ではありません。
自分に通院・服薬など気になる条件があるなら、申し込み前にその提供者へ確認します。
まず気軽に前世を知りたいならリーディング
「前世というものに興味はあるけれど、催眠までは少し怖い」
「まず自分がどんな人物だったと読まれるのか聞いてみたい」
という段階なら、前世リーディングのほうが入りやすいでしょう。
座って話を聞く、文章で結果を受け取るなど、自分が催眠状態になる必要がないサービスもあります。
ただし、申し込む前に、
どんな方法で読むのか。
何を聞けるのか。
誰との前世まで見られるのか。
結果について質問できるのか。
を確認しておきます。
「自分の内側から出てくるもの」を体験したいなら前世療法
反対に、
「他人から前世を教えてもらうより、自分で何を感じるのか知りたい」
なら前世療法です。
催眠中に、
どんな景色が出るのか。
どんな人物が現れるのか。
何も見えないのか。
どんな感情が出るのか。
を自分自身で体験します。
そして、その体験から、
「今の自分について何を感じた?」
まで考えます。
前世が本当だったかを確認することより、この「自分から出てきた体験」に意味を感じる人には向いています。
前世リーディングか前世療法かは「何が欲しいか」で決める
最後は、かなり簡単に分けられます。
「私の前世について誰かに読んで教えてほしい」
なら前世リーディング。
「催眠を使って、自分自身に何が浮かぶのか体験したい」
なら前世療法。
「本当にあった前世の記憶を正確に確認したい」
なら、現在のどちらの方法でも確認できません。
そして、どちらを選んでも、
「前世を知ること」
だけで終わらせなくて構いません。
なぜその前世の説明が気になったのか。
そこに今の自分と重なる部分はあるのか。
今の生活で変えたいことは何なのか。
最後は現在の自分へ戻って考えます。
そうすれば、「本当の前世が分かるまで次々に鑑定を受ける」という終わりのない探し方ではなく、前世という考え方を今の自分を知るための一つの材料として使いやすくなります。
出典
日本こころカウンセリング協会|前世療法
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日本臨床ヒプノセラピスト協会|ヒプノセラピーについて
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日本アカシックリーディング協会|アカシックレコードとは
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American Psychological Association|催眠と記憶について
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PubMed|前世の記憶を語る子どもの事例研究について
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